TALK ABOUT “Wismettac”|#02

新規事業開発

“食”の可能性で、新たな価値創造を。

TALK ABOUT “Wismettac”|#02

新規事業開発

“食”の可能性で、
新たな価値創造を。

SDGs(サステナブル)や安心・安全な“食”への関心の高まり、
少子高齢化をはじめとする社会課題など、私たちを取り巻く環境は大きく変化しています。
新たに生まれたニーズや課題に対し、Wismettacグループは何ができるのか。
これからの社会やマーケットを見据え、新たなソリューションを生み出す3人のリーダーに、
新規事業開発のビジョンや今後の展望について話を伺いました。

ASIAN FOOD
GLOBAL BUSINESS

アリレザ モハマディ

アジア食グローバル事業
アリレザ モハマディ /
Alireza Mohammady
2020年キャリア入社
Wismettacフーズ株式会社
執行役員

AGRICULTURAL
BUSINESS

千葉 芳充

アグリ事業
千葉 芳充 / Yoshimitsu Chiba
1998年キャリア入社
Wismettacフーズ株式会社
執行役員

NEW BUSINESS
DEVELOPMENT

鈴木 正晴

新規事業開発 WBD Company
鈴木 正晴 / Masaharu Suzuki
2021年キャリア入社
西本Wismettacホールディングス株式会社 Director
※Wismettac Business Development Company

※所属・掲載内容などは取材当時のものです

CHAPTER 01

多様化する課題は、大きなビジネスチャンス。

- 社会を取り巻く様々な課題やニーズは変化を続けています。Wismettacグループの一員として、それらの変化をどのように捉えていますか?

アリレザ 人々は食に新しい価値や意味を求めはじめていると感じます。「地球に良い」「地域社会に良い」「健康に良い」「そして味が良い」、これが条件です。特にサステナブルで地球にやさしい原材料を使用しているか、健康を意識した食品であるかといった、これまであまり着目されてこなかった観点に重きが置かれるようになっています。 また植物性食品を中心に食べて、時々肉や魚を食べるフレキシタリアンというスタイルが欧米の若者世代で流行し、畜産物の消費量は年々減少傾向にあります。デジタルコミュニケーションが発展し、インターネットで様々な情報に触れる機会が急増したこともこのトレンドに影響しているのでしょう。これらは今後10年で、さらなる大きなトレンドになっていくと考えています。“食”のコンテンツを扱う私たちとしても原材料を改めて確認し、地産地消を推進して、お客様のニーズを満たす食品を提供しなければならないと考えています。

鈴木 先進国では高齢化問題が深刻なものとなっています。それにともない、高齢者向けの医療や介護のニーズが高まっています。特に日本の高齢化率は世界一で、課題先進国ともいわれています。これは、ある意味で大きなビジネスチャンスと捉えられます。 そもそも食とヘルスケアは親和性が高く、古今東西で「医食同源」「Food As Medicine/Food Is Medicine」という考え方も浸透しています。超高齢化社会である日本ではヘルスケア関連の技術開発が進み、マーケットとしてはレッドオーシャンになりつつありますが、海外ではまだまだブルーオーシャン。グローバルにネットワークを有するWismettacグループの事業アセットを活用して、社会課題である高齢化問題に最適なソリューションを世界各地へ提供したいと思っています。

千葉 農作物の知財管理に注目しています。日本の青果物はまるで芸術品のように品質が良いということで、世界的にも高く評価されています。一方で、知財管理の問題で種苗が海外に流出して大きな損失を生んでしまったこともありました。この問題と向き合い、日本ブランドの青果物の価値をさらに高めていきたいと思います。 また、日本の青果物の生産体制にも多くの課題もあります。海外では機械化・省力化の技術が進んで効率的な生産体制が築かれており、その分手に取りやすい価格で市場に出回っています。日本にも海外の生産体制技術の優れた部分を取り入れ、効率化し、マーケットにより広く普及させていく必要があると考えています。

CHAPTER 02

ニーズの兆しを見逃さず、新たな市場を開拓する。

- 社会的課題に対する新たなソリューションとして、どのような取り組みを行っていますか?

千葉 アグリ事業では従来、海外の青果物を日本に輸入する事業を展開してきました。それらのビジネスなかで、海外のお客様より「日本の青果物を販売してほしい」というニーズがあり、新たに国産青果物を海外に輸出する事業をはじめました。しかし、国産青果物は海外の相場に比べて価格が高い、旬の時期以外は食べられないなどという課題がありました。そこで、日本のシーズン以外では南半球で国産青果物を栽培し、年間供給量を安定させるファーミング事業の取り組みを開始。 また、日本では市場に出回らない小玉リンゴを『SUGOI Apple』とブランディングし、小玉リンゴの需要が高いアジア圏へ販売する事業も展開しています。マーケットインの発想で、消費者のニーズと生産者の課題を結びつけ、Win-Winの関係を築くソリューションを提案しています。

鈴木 まず、病院や高齢者施設をターゲットに、特定疾患向け食のビジネスを2021年に立ち上げました。日本には、胃がんをはじめとする消化器系疾患により消化に不安を抱える方が多くいらっしゃいます。しかし、これまでこの領域に対する明確な食のソリューションは存在していませんでした。そこで、消化にやさしく栄養価も十分で、見た目も味も楽しめる食にニーズがあると見込んだのです。食事は健康の基本です。食べられないと別の疾患を引き起こしてしまうリスクもあります。どのような方にも食べる喜びを与えられ、QOLを高められるような商品開発に取り組んでいます。

アリレザ アジア食グローバル事業では海外のアジア系マーケット(日本食レストランやアジア系の量販店など)を中心に、日本食やアジア食、水産物などを輸出してきましたが、現地のメインストリーム向けの取引の拡大にもグローバルで力を入れています。 また、私たちは新たにサステナブルな原材料での生産にも取り組みはじめました。例えば、水産物の陸上養殖です。従来、米国で消費されるウナギは中国で養殖し、飛行機で米国へ輸送していました。それにともない、長距離移動にも耐えられるようウナギに抗生物質を与えることもありました。これでは、地球環境にも健康にもやさしくありません。そのため、米国の陸地にタンクを設置してウナギを養殖し、水も再利用するといったソリューションなども検討しています。陸上養殖は、海上汚染防止にもつながり、生物多様性の保全のほか、消費者を対象とする食料の安全保障と持続可能な食料供給、生産施設の所在地域およびその周辺を対象とする地域産業の活性化といった観点からの社会的便益も期待が持てます。地産地消を推進し、サステナブルな生産を目指しています。

- 新規事業を立ち上げ軌道に乗せる上で、Wismettacグループのアセットや強みはどのように活かされていますか?

鈴木 Wismettacグループにはグローバルにネットワークがあるので、現地の課題やニーズなどの情報を収集し、適切にローカライズしながら商品開発ができるという強みがあります。また、グローバルにネットワークを持たないスタートアップや研究機関と連携し、当社のネットワークを活用して技術を海外進出させることも可能です。事業開発の視点からマーケットを開拓することで、さらなるアセットを築くことができるでしょう。

アリレザ その通りですね。スタートアップには、マーケットにソリューションを提案できるアイデアはありますが、グローバルネットワークと生産基盤はありません。一方で、私たちには世界各国の多様なパートナーとのネットワークがあります。スタートアップと連携して私たちがプロジェクトを管理し、データ収集と改善を繰り返して商品や技術を開発していく。このように、私たちはスタートアップにとってのプラットフォームとしても機能できるのです。

千葉 100年以上の歴史のなかで培った経験と、グローバル規模でのサプライチェーンも大きな強みです。5 Region(日本、北米、欧州、東南アジア・オセアニア、中国)の海外拠点から、世界中の情報をリアルタイムで収集し、スピード感を持ってソリューションを推進できる組織力は、様々な新しい取り組みを成功させる上で必要不可欠だと思います。

CHAPTER 03

すべてのソリューションは、現場から生まれる。

- 新規事業開発における今後のビジョンについて教えてください。

千葉 世界的に評価されている日本の青果物には、大きな可能性があります。日本ブランドの価値をさらに高めていき、マーケットを開拓するためにも、攻めの姿勢で知財管理や商標登録なども行っていきます。 また、農林水産省や各種機関、大学などと連携し、知財管理のルールづくりや新たな品種開発にも取り組んでいます。そして、旬のある青果物を年間通して安定供給できる体制構築にも注力していきます。地球というフィールドで、ボーダレスに優れた商品を世界に流通させることで、消費者だけでなく、国内外の生産者にも貢献したいと思います。

鈴木 ヘルスケア領域は今後さらに拡大していくマーケットの一つです。まずは高齢者や疾患を抱える方をターゲットに、それらを起点として様々なターゲット向けにソリューションを開発していきます。そのためにも、病院や介護施設などのチャネルを開拓し、接点を持つことで、リアルな一次情報をキャッチしていきたいと思います。潜在的なものから顕在的なものまで、課題やニーズは現場にあると考えているので、鮮度の高い情報から得た課題やニーズに対し新たなソリューションを生み出したいと思います。 その他にも、「食×医×DX」という領域には大きな可能性が秘められています。例えば個人の健康や嗜好性などに関するデータと食のデータベースを掛け合わせることにより、適切な組み合わせの食事が出てくると面白いですよね。実現するには多少時間がかかるでしょうが、無限のポテンシャルのある領域だと考えています。

アリレザ  環境にとって負担の少ないものを提供する。品質の高いものを提供する。この2つが私たちのミッションです。そして2つのミッションを達成することで、日本から「食」というコンテンツを通じてのグローバルマーケットに対して様々なソリューションを提供いきたいと考えています。ただし、画一的な日本の「食」がすべての地域で受け入れられる訳ではありません。ミッションの要件を満たしながら、国や地域ごとにローカライズし、すべての人に寄り添ったソリューションを追求し、提供することを目指していきます。

- ビジョンを実現するために、若手社員に求める姿勢や心意気を教えてください。

鈴木 新規事業への挑戦は簡単なものではありません。だからこそ、新しい価値を創造してお客様をハッピーにしたいというパッションが大事になります。あらゆる情報を自分の目と足で探り、世の中の潜在的な課題を追求し、最適なソリューションを提供していく。「できない」とあきらめるのではなく、「何ができるか」を考え、挑戦し続けられる方々を歓迎します。

アリレザ プロフェッショナルとしてビジネスに熱中できること、そしてプロジェクト管理能力を養えること。この2つの能力を持ち、私たちのビジョンに賛同してくれる方であれば、ベストなフィールドで活躍できることを約束します。

千葉 事業を成功させるためには、常に周囲に興味を持って情報を仕入れ、スピーディに行動することが重要になります。食のスペシャリストとして日本だけでなく世界に目を向け、鮮度の高い情報をキャッチし、私たちとともに柔軟な発想で食のコンテンツを生み出しましょう。

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