- 社会を取り巻く様々な課題やニーズは変化を続けています。Wismettacグループの一員として、それらの変化をどのように捉えていますか?
アリレザ 人々は食に新しい価値や意味を求めはじめていると感じます。「地球に良い」「地域社会に良い」「健康に良い」「そして味が良い」、これが条件です。特にサステナブルで地球にやさしい原材料を使用しているか、健康を意識した食品であるかといった、これまであまり着目されてこなかった観点に重きが置かれるようになっています。 また植物性食品を中心に食べて、時々肉や魚を食べるフレキシタリアンというスタイルが欧米の若者世代で流行し、畜産物の消費量は年々減少傾向にあります。デジタルコミュニケーションが発展し、インターネットで様々な情報に触れる機会が急増したこともこのトレンドに影響しているのでしょう。これらは今後10年で、さらなる大きなトレンドになっていくと考えています。“食”のコンテンツを扱う私たちとしても原材料を改めて確認し、地産地消を推進して、お客様のニーズを満たす食品を提供しなければならないと考えています。
鈴木 先進国では高齢化問題が深刻なものとなっています。それにともない、高齢者向けの医療や介護のニーズが高まっています。特に日本の高齢化率は世界一で、課題先進国ともいわれています。これは、ある意味で大きなビジネスチャンスと捉えられます。 そもそも食とヘルスケアは親和性が高く、古今東西で「医食同源」「Food As Medicine/Food Is Medicine」という考え方も浸透しています。超高齢化社会である日本ではヘルスケア関連の技術開発が進み、マーケットとしてはレッドオーシャンになりつつありますが、海外ではまだまだブルーオーシャン。グローバルにネットワークを有するWismettacグループの事業アセットを活用して、社会課題である高齢化問題に最適なソリューションを世界各地へ提供したいと思っています。
千葉 農作物の知財管理に注目しています。日本の青果物はまるで芸術品のように品質が良いということで、世界的にも高く評価されています。一方で、知財管理の問題で種苗が海外に流出して大きな損失を生んでしまったこともありました。この問題と向き合い、日本ブランドの青果物の価値をさらに高めていきたいと思います。 また、日本の青果物の生産体制にも多くの課題もあります。海外では機械化・省力化の技術が進んで効率的な生産体制が築かれており、その分手に取りやすい価格で市場に出回っています。日本にも海外の生産体制技術の優れた部分を取り入れ、効率化し、マーケットにより広く普及させていく必要があると考えています。