- Wismettacグループが展開するソリューションについて教えてください。
福井 1912年に創業して以来、100年以上の歴史を持つ当社ですが、その中でもコアビジネスの一つとして位置付けられるのがアジア食グローバル事業です。日本食をはじめとするアジア食品・食材を北米や欧州、豪州、アジアを中心に展開する卸事業と、世界各地へ輸出する事業を行っています。アジア食文化の世界的な普及に寄与していると自負しています。私たちは貿易会社が出自の食品商社なので、メーカー系商社とは違ったアプローチで世界中のマーケットに対峙しています。世界中から商材をソーシングして海外に販売する三国間貿易にも強みを持ち、お客様の幅広いニーズにお応えしています。また、長らく北米と中国の拠点を軸に事業展開していましたが、2011年より他地域へ海外拠点の拡大に着手。お客様との資本提携や買収、ゼロから新たに海外現地法人を設立するなど、2022年には合計で44ヶ所の拠点を擁しています。
渡邉 世界中の青果物や冷凍加工青果などを輸入し、国内の卸売市場や食品メーカー、量販店、外食産業などに販売するのがアグリ事業です。 高度経済成長期にサンキスト・グロワーズ社の総輸入代理店となったことから、現在でもレモンやオレンジといった柑橘類の輸入でシェアトップクラスを誇ります。冷凍加工青果に関しては、原料供給だけでなく製品に至るまでの提案を強化し、小売・外食産業と連携して商品開発を行っています。また、今後の成長戦略の一つとして直近では産地開発にも着手しており、特定の農産物のニーズが急騰した場合でも国内外に食材を安定供給するために、柔軟に新たな仕入れ先を開拓するなど新しい取り組みにも力を入れています。食のインフラを守ために、生産国と日本の法律・規制を考慮した上でスムーズに取引をはじめられるよう、情報収集や交渉を行っています。
玉津 アメニティ&小売事業は2000年に新規事業としてスタートしたビジネスです。
BtoBが基本ですがよりよい商品開発につなげるためにBtoBtoC、BtoCにも取り組んでいます。具体的には、海外のユニークなブランド食品の輸入販売、シーズン・イベント商品の企画販売を軸としたピーキューブ事業、メディカル・サプリメントの企画販売を行うナチュメディカ事業の2事業を展開しています。単なる輸入食品商社からお客様の課題に対してソリューションを提供する事業へと変革、今も成長を続けています。
- 100年以上の歴史があるWismettacグループは、世界中のネットワークやナレッジといった豊富な事業アセットを有しています。どのような面でこの強みを発揮していますか?
福井 まず、各国の拠点が我々の情報網にもなっているため、市場のトレンド他、食品規制や法改正をいち早く仕入れられるというメリットがあります。例えば、アレルギーは世界中で大きな問題となっており、それにともない法律や規制が日々アップデートされています。世界各国の食に関するルールを管理するフードセーフティ部門と連携し、国ごとの安全基準を満たした安心・安全な食品を扱うことで信頼を得ている事は大きな強みと言えます。
渡邉 青果物はその年の気候や条件によって作物のでき方が変動します。例えばオレンジのシーズン開始が遅れており、サイズは小ぶりという状況であったとしても、Wismettacグループはこれまでのナレッジから予測し、最適なアクションをとることができます。どのような状況下であっても安定供給し、食のインフラを守るという使命を果たす上でも、私たちのアセットが大いに役立っています。
玉津 アメニティ&小売事業は、常に新たなアセットを築き上げているといえるでしょう。毎年、小売店と協働してシーズン・イベント商品を企画開発したり、店頭での陳列、販売方法に海外サプライヤーのエッセンスを加えたり、現場での知見を元に海外サプライヤーと開発を進めたりと試行錯誤を重ねています。それらを繰り返し行うことで他の事業や新規事業にも活かせる様ざまなノウハウを蓄積しています。